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大衆テント劇場、花園神社にて

こんにちはー!

足立区北千住にある 歯周病センター横田歯科医院スタッフの非常勤歯科衛生士 イソザキ です。

このたびは、ワタシの初!劇団舞台観覧のレポートを超ロングバージョンでお届けします(笑)。

 

 

鎌倉の路地中に、鎌倉夜の徘徊人が集う小さな店があります。
立ち呑み屋 「 ヒグラシ文庫 」。

そこの呑み仲間に誘われて、

ヒグラシマスターが仲間と立ち上げている劇団の舞台を見に行って参りました。


そこは、新宿 花園神社。

大鳥居をくぐった参道脇に、こう言っちゃなんだけれど、、、ボロッボロの幕を何重にも施したテントが怪しげに立ち上がっていました。


見上げるは10mに近い。

ひと昔前はあったのかな?こういう舞台を 「大衆テント劇場」と呼ぶようです。

 

開演近い時間になり、プロローグが始まるというアナウンスが聞こえたのでテント入口に集まったら、、、それはなんとテント外で始まってビックリ!

狭いスペース内で流れるようにシーンが切り替わってゆく様は、夢の中のようで、純文学の如く美しかった〜。


で、そこから開場。
脱いだ靴はビニール袋に入れて持ち込み、桟敷に座る。
もちろん自由席 ( 笑 )。隣の他人とは肩が触れ合う親密さです。

そこにきて

「あと100人居れますから〜っ皆さんのご協力が必要で〜す!さぁ行きますよぉ〜〜、、、

せぇの、ヨイショ〜〜〜っ!!!」

 

って、↑ 何をし始めたかご存知の方、いらっしゃいますか?

これ、

ヨイショの掛け声に合わせて横1列の客が列の中心に座る方に向かって一斉におしりを動かし、左右両端に席をつくるのですっっ!

それを何度も繰り返すから、

「もう無理ですぅうう〜〜お許しを〜〜〜〜〜っ」

ってくらいに詰めっ詰め。

もう、肩が触れ合うどころか膝が重なり、隣人との関係は 〝超〟 親密に進展。笑笑笑笑笑

 

しかし、あなどれないネ、このヨイショ。

皆がおしりを浮かせるたびに場内の一体感と期待熱をMAXに燃え上がらせ、

観客全員を高い幕が開くのを心待ちにさせるのでした。

 

そして、幕開け。

いゃあ、、その舞台は、想像を逸していましたっ

ここが野外であることをバリッバリ感じさせる舞台作りだったのですっ!

セットの向こう側には神社の夜の帳がうごめいていて、すごーく雰囲気あるし、

廃材のような木材で造られたセットも、暗い照明の中で風をまとって霧がたなびいているし。

 

幕が進むにつれ、

テント内に舞台を創るという想像していた概念は、すっかり吹っ飛びましたっ!!

だって、ステージ真ん中の池があって!中で鯉が泳いでるんですっ

しかもその池に役者さんが飛び込んで、舞台裏にはけてるってドーユーコトー?!
えーーっどうして?!何処から?!どーなってんの?!?!

うわぁーーっセットの向こう側から戦闘飛行機が飛んできたっ

つかこの強烈水流の滝…な、な、なんて美しいスペクタクル……ッ!!!

 

そんなコーフンとカンドウの嵐。

台詞も内容もワタシには高尚で、ぶっちゃけると、低俗なアタマでは「?」なシーンもありました。

なのに、ものすごーーーく、胸に響いて突き刺さるものさえ感じたのです。

嗚呼・・・観に来て、ヨカッタ・・・・・・

終演後は、残れるお客さんをひっくるめての、テント内での大打ち上げ。

役者さんたちが日本酒一升瓶を持って回り、お酌したり想いを語ってくれました。

 

その景色を肴に桟敷に座って酒をチビチビ呑み、芝居を振り返るようにステージを眺めていたら

ふと気付いたことが。

 

舞台セットはさっきまで

あんなに深い息をはいて生きた存在感を見せていたのに

いまは静かに佇んでいるだけ。。。

・・・嗚呼そうか、、、
息を吹き込んでいたのは、あの役者さんたちだったんだ、、と。

 

こうやって、役者は役者同士だけでなくて舞台セットを創りあげる方々とも幕上で掛け合っているんだなぁ。。。と、しみじみ感じました。

 

 

帰路につく中で思い出していたのはやはり、

役者と役者、役者と舞台、舞台と台詞、そして風、との繋がり合いで・・・

いまも、目を閉じるとココロにジワジワっと来る・・・この感覚は、なんだろう。

 

その答えなのかどうかは解らないのだけれど、

戴いたパンプレットの中に目が留った文章があたので、ご紹介。

 

それは、総監督 桃山 邑 さんの、自らの野戦攻城への想い。

 

 

 

「招き手にひきよせられ、夜を渡る集団に身を投じたとき、生涯この道をあるく覚悟があったのか。

わたくしは、

なりわいとするにはとても困難な、あそびと片づけるには代償の大きすぎる、芝居という領野に囚われていた。

それも札付きの集団が全身を賭して叫びつづける、存在の、荒ぶる魂の震えに。

ことさら舞台でなくとも構わなかった。

其処にいて、仲間とともに、まぼろしを追いかけることを可能に思えれば。

誰も自由になろうとする自由を閉じ込めることはできない。」

 

「金銭には換算できない、

こころざし、とでも呼ぶべきものを忘れたくなかったのだ。

野外舞台を積み込んだトラックに揺られ、全国旅興行をくりかえした。

無名無告のまま。

誰に認められることもなく。

仲間だけが かけがえのない動機だった。」

 

 

 

もしかしたら私の胸の中に流れ込んで泳ぎ始めたこの感覚は、

芝居の向こう側の、この人の魂、なのかもしれないなぁ、、、

 

ナンテネ。

 

 

 

野外劇集団

水族館劇場

 

貴方の街にも、ある日、おっきなテント劇場が出来上がっているかもしれませんね。

 

 

 

 

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