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ALPS処理水の海洋放出は是か非か?

足立区は北千住にある横田歯科医院 院長の横田です。歯周病治療に力を入れています。

 

今日はこの夏から始まろうとしているALPS処理水について皆様と考えていきたいです。政府は2023年夏から福島第一原発から出る放射性物質を含む汚染水をALPS(多核種除去装置)処理された水を海洋放出しようとしています。

福島県及び全国漁業協同組合連合会は断固これに反対しています。政府と東電は「関係者の理解なしには処分をしない」と約束していたのにその約束はどうなるのでしょう?

トリチウムは水素の同位元素で陽子1個と中性子2個から構成されます。半減期は12年の放射性物質でベータ崩壊したのちヘリウムになります。トリチウムは水の形で存在するため核除去装置でも水から水を取り出せません。原子力発電所からは必ずトリチウムは発生し震災前も全国の原子力発電所から年間計380兆ベクレル前後のトリチウムが海に放出されていました。

専門家は廃炉に向けて新しく施設を建設するためにも貯蔵タンクを減らし場所を確保する必要がある。日本の場合トリチウムの安全基準は1リットル当たり6万ベクレルでこの濃度の水を毎日2リットル飲み続けても1年あたりの被爆量は0.8ミリシーベルトに過ぎません。
因みに日本人の平均被爆量は大地や宇宙から受ける外部被爆と食物中の天然の放射性物質や空気中のラドンから受ける内部被ばくを合計すると平均2.1ミリシーベルトになります。
自然被爆は世界平均で2.4ミリシーベルトですがウラン鉱石など天然資源が豊富なフィンランドでは食品由来の内部被ばくを除いても年間7ミリシーベルトを超えます。スウェーデンでは6ミリシーベルト、ふらんすでは5ミリシーベルトです。ただ日本の医療被曝は世界でもトップクラスで年間2.6ミリシーベルトで自然被爆と合わせると1年で5ミリシーベルト程度の放射線を浴びています。福島県沖の近海の魚を多く食べたとしても海洋放出に伴う被爆は年間自然被爆の100万分の1から7万分の1にすぎません、と言っています。

 

政府側の学者は処理水はトリチウムだけが残っているとしていますがタンクに貯留された水の多くにそれ以外の放射性物質も基準を超えて残留していると指摘している人もいます。わたしもタンクの中に残されているのはトリチウムだけとは思えません。第3者機関に調べたもらった結果を公表して欲しいです。

 

また根本的な問題は汚染水の発生、つまり建屋への地下水や雨水の流入が制御されていないことです。棟土壁の建設も効果を上げていません。

 

原発団研が地下水や雨水の流入を防ぐ具体的な方法を提示しているようですが取り上げられていません。

皆さんはどうお考えでしょうか?

参考文献
トリチウム 中川恵一 FBNews No558
ALPS処理水の海洋放出はなぜ問題なのか 満田夏花 月刊保団連2023.7 No.1399
原発汚染水の発生量を抜本的に削減するための提案 柴崎直明 月刊保団連2023.7 No.1399

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